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体からのSOS?気づいてあげたい高血糖の症状【2024年8月号】

[2024.07.16]

血糖値が高いとどんな症状がでてくるのか知っていますか?

実は、少しくらい血糖値が高くてもほとんど症状はありません。つまり、健診をきちんと受けている方は症状が出る前に早めに糖尿病を見つける事ができるのです。逆に、健診を受けていない方は要注意です。 甘い物が大好きな方、ジュースをたくさん飲む方、実は少し血糖値が気になったりしていませんか?これからお話する症状に思い当たるものがある方はひょっとしたらかなり血糖値が高い状態かもしれません。健診を受けていない方も、少しでも早く体の警告サインに気づき、病院を受診できるように知識をつけていきましょう。

 

 

軽症はほとんど症状がない

糖尿病は、軽症の場合はほとんど症状がありません。そのため、何年も健診を受けていない方は知らないうちに糖尿病が進行している場合があります。糖尿病の症状を知っておけば、早めに気づいて病院を受診することができます。糖尿病が進行すると、心筋梗塞のように命にかかわる病気を発症したり、目が見えなくなったり、足が腐ってしまうことがあります。そうならないためにも、糖尿病の症状について知識をつけ、適切に対応しましょう。

糖尿病の症状は、大きく2つに分けられます。今回は血糖値が高い時に起こる症状について解説します。

 

血糖値が高い時に起こる3つの病態と症状

①糖を体の外に出そうとすることで出てくる症状

人間には、血糖値をよい値にコントロールする自動調整機能があります。生活習慣の乱れで膵臓が頑張りすぎてしまったり、太ってインスリンが効きにくくなったりすると、血糖値のコントロールができなくなり血液中の糖分が増えます。血糖値がおよそ180mg/dl以上になると、血液がドロドロになります。糖を水分と一緒に体の外へ出そうとするため、尿が増え、トイレの回数が増えます。強い脱水になり、のどが渇くので水分を頻繁にとらないと我慢できなくなります。

 

 

②糖をエネルギーとして使えないことで出てくる症状

糖をエネルギーとして使えなくなると、体重が減ってくることがあります。努力しないで痩せるなんて、嬉しいと思う方もいるかもしれませんが、決してそうではありません。

人間には約37~60兆個の細胞があると言われています。細胞が集まって、心臓や脳や肝臓などの臓器を形作っています。この細胞一つ一つが機能するためにはエネルギーが必要となります。そのエネルギーの一つが糖です。

血液中の糖を細胞に取り込んでいるのは、膵臓から出るインスリンです。糖尿病になると、インスリンが出なくなったり、インスリンの効きが悪くなるため、糖をエネルギーとして上手に使えなくなります。細胞は糖を使えないので困ってしまい、代わりに筋肉や脂肪を分解してエネルギーにします。すると筋肉量が減少し、痩せていきます。

また、おしっこから糖を捨てる時に体はエネルギーも失います。糖は1g当たり4kcalのエネルギーがあります。そのため、尿の中に100gの糖が捨てられると、400kcalが捨てられる計算になります。

「ダイエットをしているわけでもないのに何だか痩せてきた」という方は、癌と同時に糖尿病も疑う必要があります。

③白血球の働きが弱くなることで出てくる症状

高血糖になると、感染症にかかりやすくなります。血糖値がだいたい200mg/dL以上になると白血球の働きが弱くなると言われています。白血球は人間の体を細菌やウイルスから守るのに大切な役割をになっているため、高血糖の状態が続くと、傷口の治りが悪くなったり、風邪を引きやすくなったります。

免疫力を強くするような薬は現在のところありません。血糖コントロールをしっかり行い、細菌・ウイルスに負けない体をつくっていきたいですね。

 

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