メニュー

新しい肺炎球菌ワクチン「キャップバックス」登場!【2026年3月号】

[2026.02.19]

今年は2月に入ってもインフルエンザB型の流行が続いており、発熱外来の患者さんが絶えません。手洗い・マスク・十分な睡眠など、引き続き基本的な感染対策を心がけましょうね。

インフルエンザなどの感染症は、体力を消耗させ、その後に肺炎を引き起こすきっかけになることもあります。だからこそ、肺炎の重症化を防ぐ準備も大切です。肺炎は高齢になるほど重症化しやすい病気で、その原因として最も多い細菌が肺炎球菌です。

  • 種類が何個かあるけど、どのワクチンを選べばいいの?

  • 定期接種だけで十分かな?

  • 以前打ったけれど、また打った方がいいの?

といったご質問を多くいただくようになりました。そこで今回は、肺炎球菌ワクチンについて、できるだけ分かりやすく整理してお伝えします。

2025年10月、新しい肺炎球菌ワクチン 「キャップバックス®(21価)」 が日本で接種可能となりました。これを受け、肺炎球菌ワクチンの推奨接種プランも大きく変更されています。

 

肺炎球菌とは?

肺炎は日本人の死因の第5位を占める重大な病気です。特に65歳以上の高齢者では、肺炎によって命を落とすリスクが高まります。肺炎球菌は、肺炎の原因として最も多い細菌です。普段は鼻やのどにいることもありますが、体力や免疫力が落ちたときに肺炎を引き起こします。特に高齢の方や持病のある方では重症化しやすく、血液に菌が入る重い感染症になることもあります。

肺炎球菌には90種類以上の「血清型(タイプ)」があり、流行する型は時代とともに変化します。ワクチンは、その中でも重症化に関わる型を中心に予防するよう設計されています。

肺炎球菌ワクチンは「かからないため」だけでなく、「重症化を防ぐため」の大切な予防手段といえます。

 

肺炎球菌ワクチンを打ったほうがいい方

① ご高齢の方(65歳以上)

65歳を過ぎると免疫力が低下し、肺炎が重症化しやすくなります。

② 基礎疾患のある方

基礎疾患のある方は、肺炎が重症化しやすくなります。

・糖尿病や心臓・腎臓の病気がある方

・呼吸器疾患(肺気腫や気管支喘息など)のある方

・がん治療中の方

・免疫低下状態の方

③ 乳幼児

免疫が未熟なため、肺炎や髄膜炎などを防ぐ目的で定期接種が行われています。

 

肺炎球菌ワクチンの種類

現在、日本で使われている肺炎球菌ワクチンは主に4種類ありますが、当院で取り扱っているものは下記の3種類となります(2026年2月時点)。それぞれに特徴があり、年齢や接種歴によって選び方が変わります。

①キャップバックス(PCV21)

2025年に登場した最も新しい「結合型ワクチン」です。21種類に対応し、特に成人で重症化しやすい型を意識して設計されています。免疫がしっかりつきやすく、原則1回接種で完結します。

より重症化予防を重視したい方に適した選択肢といえ、成人の任意接種の第一選択となっています。

② プレベナー(PCV20)

20種類に対応する「結合型ワクチン」です。23価のニューモバックスより多様な血清型に対応しています。免疫がしっかりつきやすく、原則1回接種で完結します。

幅広くバランスよく予防したい方に選ばれることが多いワクチンで、令和8年4月1日から成人の定期予防接種となっています。キャップバックスよりやや安価です。

③ニューモバックス(PPSV23)

23種類の肺炎球菌に対応するワクチンです。長年使用されており、令和8年3月まで65歳の定期接種で使われてきたワクチンです。

広くカバーできるのが特徴ですが、免疫の持続は結合型ワクチンよりやや弱いとされ、5年毎の接種が必要です。1回あたりの料金は一番安いですが、5年毎に接種することを考えると、他のワクチンより高額となります。

④ バクニュバンス(PCV15)

15種類に対応する結合型ワクチンです。状況によってはニューモバックスと組み合わせて接種する方法がとられることがあります。ただし、20価のプレベナー、キャップバックスの台頭により、今後選択される機会は少なく、当院では取り扱っておりません。

 

莢膜多糖体ワクチンと結合型ワクチンって何が違うの?

肺炎球菌ワクチンには、「莢膜多糖体ワクチン」と「結合型ワクチン」の2種類があります。莢膜多糖体ワクチン(ニューモバックス)は、菌の表面にある“殻”の成分を使ったワクチンで、幅広い種類の肺炎球菌をカバーできるのが特徴です。一方、結合型ワクチン(プレベナーやキャップバックス)は、その殻の成分にたんぱく質を結合させることで、体がより強く反応し、免疫をしっかり記憶しやすくなるよう工夫されています。そのため、結合型ワクチンは重症化予防や免疫の持続という点で期待されています。

接種回数について

これまで定期接種で使用されてきたニューモバックスは、接種後にプレベナーやキャップバックスなどの結合型ワクチンを追加接種することが推奨されています。

一方、20価のプレベナーや21価のキャップバックスは、免疫記憶をしっかり作る結合型ワクチンであり、現時点(2026年)では原則1回接種でよいと考えられています。ただし、どのくらいの期間効果が持続するのかについては、今後さらにデータが蓄積されていく見込みです。今後の研究結果により、推奨内容が見直される可能性もあります。

 

年齢・接種歴別のおすすめ(じゃあ、自分はどれを選べばいいの?)

2025年10月、キャップバックス(PCV21)が日本で接種可能となったことにより、各学会の提言において肺炎球菌ワクチンの推奨接種プランが新しく提示されました。さらに、清須市では2026年4月から、65歳の定期接種ワクチンが、ニューモバックスからプレベナーへ変更となります。当院でも、下記スケジュールでの接種を基盤といたしますので、ご参考ください。

 

65歳の方(清須市の定期接種)

2026年4月からは、定期接種としてプレベナーを接種する形になります。接種費用の一部助成があるため、安価に結合型ワクチンを打つことができます。これにより、 「免疫記憶がしっかりつく」、「原則1回接種」という、これまでよりシンプルで効果的な予防が可能になります。

ただし、より予防効果の高いワクチンを希望される場合は、任意接種でキャップバックス(14,000円)を接種することも可能ですので、当院までご相談ください。

66歳以上でニューモバックスを接種済みの方

これまでの制度でニューモバックスを接種されている方は、最後の接種から1年以上経過していれば、キャップバックスまたはプレベナーの追加接種が可能です。効果の高さからキャップバックスをおすすめします。

最近は、ニューモバックスを繰り返すのではなく、結合型ワクチンを追加して重症化予防を高める方法が主流となっています。

過去にプレベナー13、プレベナー20、バクニュバンスを接種済みの方

最後の接種から1年以上経過していれば、キャップバックスまたはプレベナー20の追加接種が可能です。効果の高さからキャップバックスをおすすめします。より広い血清型をカバーしたい方はご検討ください。

これまで一度も接種していない方

これから初めて接種される方は、年齢に関係なくキャップバックス1回接種をおすすめします。

60~64歳で基礎疾患のある方

心臓・肺・腎臓の病気や免疫機能障害などがある方は、定期接種(プレベナー20)の対象となる場合があります。重症化リスクが高いため、接種をご検討ください。より予防効果の高いワクチンを希望される場合は、任意接種でキャップバックス(14,000円)を接種することも可能ですので、当院までご相談ください。

清須市の定期接種について

清須市では、2026年4月から65歳の肺炎球菌定期接種が「プレベナー」へ変更されます。これまでのニューモバックスから結合型ワクチンへ切り替わることで、よりしっかりとした免疫が期待できる体制になります。

接種日時点で65歳の方(66歳の誕生日の前日まで)が定期接種の対象期間です。対象の方には市から案内が届きますので、内容をご確認のうえご予約ください。

なお、任意接種の料金につきましては現在、現在市で調整中と案内されています。決まり次第、ホームページにてお知らせいたします。

 

ご予約方法

お電話または受付窓口にてご予約を承っております。

ご予約の際には、これまでの肺炎球菌ワクチンの接種歴(いつ・どのワクチンを接種したか)をお知らせいただけるとスムーズです。

制度変更に伴い、今後も情報が更新される可能性があります。ご不明な点がございましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。

 

最後に

肺炎は、年齢や持病によって重症化しやすい病気ですが、ワクチンによって重症化を防ぐことができます。

新しいワクチンが登場し、接種の選択肢が増えたことで、「どれを選べばよいのか」と迷われる方も多いと思います。年齢、基礎疾患、これまでの接種歴によって最適な方法は異なります。迷われたときは、どうぞお気軽にご相談ください。

まえの内科クリニックは、地域の皆さまが安心して毎日を過ごせるよう、予防医療を大切にしています。元気な今だからこそ、未来への備えを一緒に考えていきましょう。

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME