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熱中症対策をしよう!愛知県は蒸し暑い【2025年8月号】

[2025.07.08]

いよいよ暑さが本格化する季節になりました。この暑さは私たちの体に大きな負担をかけます。特にここ愛知県のように湿度が高く蒸し暑い地域では、体温調節がうまくいかず、知らず知らずのうちに熱中症のリスクが高まります。熱中症は誰にでも起こりうる身近な健康トラブルですが、初期症状を見逃したり、正しい対策を怠ると、命に関わる重篤な状態に陥ることもあります。

「自分は大丈夫」と思っていても、体は思った以上にダメージを受けていることがあります。特に高齢の方や小さなお子さん、持病のある方は注意が必要です。ご自身の体調変化に敏感になり、家族や周囲の方とも声を掛け合いながら、しっかりと熱中症対策を行いましょう。

近年ますます増える日本の熱中症

かつては、熱中症で救急搬送される人の数はその年の気候によって大きく変動するものでした。
総務省消防庁によれば、2018年は記録的猛暑で全国95,137人が搬送、死者1,581人という過去最多を記録した一方で、2021年は梅雨明けが遅く比較的涼しかったため、搬送者数は47,751人と半数程度にとどまりました。

しかしここ数年は状況が変わってきています。猛暑が“例外”ではなく、“毎年の当たり前”になりつつあるのです。

実際、2023年の熱中症搬送者数は約93,000人以上、そして2024年はさらに多く、過去最多の約97,600人が救急搬送されています(いずれも5〜9月)。日中だけでなく、夜間や屋内での発症も多く、場所や時間を問わず注意が必要な時代になっています。

 

愛知県は「高温・高湿度」で全国的に熱中症リスクが高い地域

私たちが暮らす愛知県は、夏に「気温が高い+湿度が高い」という環境が重なり、全国的にも熱中症リスクが高い地域のひとつです。特に夏場は南から湿った空気が入り込み、気温30℃を超える日が続くだけでなく、湿度が70〜80%になることも少なくありません。湿度が高いと体温調節のためにかいた汗が蒸発しにくくなり、体の熱が逃げにくくなります。その結果、体温がさらに上昇し、熱中症につながりやすくなるのです。

特に清須市は、名古屋市のすぐ西側に位置し、都市部の熱気や湿った南風の影響を強く受けるエリアです。名古屋市をはじめとした都市部では、

  • アスファルトやビルが日中の熱を蓄える
  • 夜間になっても気温が下がりにくい

といった特徴があり、夜間でも室温が高いままの状態が続くため、寝ている間に脱水が進み「夜間熱中症」が起きることもあります。

【具体的な対策】

  • 温度だけでなく「湿度」にも注目する
  • エアコン・除湿機を活用し、温度・湿度管理を行う
  • 夜間も室温が高い日はエアコンや扇風機を適切に使って寝る
  • 室内でもこまめに水分・塩分補給を行う

「今日はそこまで暑くないから大丈夫」と思っても湿度が高い日は注意が必要。愛知県の夏は「蒸し暑さ」が大きなリスクになることを忘れず、湿度対策を意識して過ごすことが大切です。

 

最初に現れるサインとは?

人の体は、暑くなると汗をかいて熱を逃がし、体温を一定に保とうとします。
でも、湿度が高かったり、体の調整機能がうまく働かないと体に熱がこもって体温が異常に上がる状態になります。これが熱中症です。

熱中症は突然倒れるイメージを持たれる方が多いですが、実際には軽い症状から静かに始まることがほとんどです。

最初に現れやすいサインは、

  • 立ち上がった時にクラっと立ちくらむ
  • ぼーっとして集中できない
  • 顔が赤くなる、皮膚が熱い
  • 普段より汗をたくさんかいている、または汗をかいていない

などです。暑さで体温が上がると、体は熱を逃がそうとして皮膚の血管を広げます。すると血液が体の表面に多く流れ、一時的に脳への血流が減少し、めまいや立ちくらみ、ふらつきが起こりやすくなります。

これは、体の水分や塩分が不足して体温調節がうまくできなくなってきているサインです。

また、暑い環境で軽い頭痛や吐き気、体のだるさを感じることもあり、これらは「熱疲労」と呼ばれる熱中症の初期段階の症状です。この段階で対応することが最も大切であり、対策が遅れるとけいれん、意識障害、体温の異常上昇など重症化する可能性があります。

「おかしいな?」と思ったら、

  • 涼しい場所へ移動する
  • 水分・塩分を補給する(経口補水液やスポーツドリンクなど)
  • 衣服をゆるめ、身体を冷やす

など早めの対応を心がけましょう。

また、高齢の方は暑さを感じにくく、のどの渇きにも気づきにくいため、体調の変化に気づくのが遅れがちです。そのため、知らないうちに脱水が進み、めまいやふらつきが起こるリスクが高くなります。

 

「食欲がない」は危険信号!

「暑くて食欲が出ないなぁ…」
夏に多くの方が感じることですが、実は「食欲不振」は熱中症のサインのひとつであることをご存知でしょうか。

私たちの体は、食事から水分・塩分・ミネラル・エネルギーを補給しています。食欲がなく食事量が減ると、水分や塩分が不足しやすくなり、脱水・体力低下・栄養不足の悪循環に陥ってしまいます。

さらに、脱水が進むと消化機能が低下し、食欲がさらに落ちるため、気づかないうちに体調が悪化しやすくなります。

【こんなサイン、見逃さないで!】

  • 食欲がない状態が続いている
  • 水分を取る量も減っている
  • だるさ・動きたくない・横になりたい気持ちが続く
  • 口数が少ない

このような状態が続く場合、身体が脱水状態に近づいている可能性があります。

【具体的な対策】

  • 味噌汁などの汁物で栄養と塩分と水分補給
  • 食事が食べたくないときは、ゼリー・果物・冷たい麺類など食べやすいものから少しずつでも食べる
  • 夜間も枕元に水分を置いてこまめに補水
  • お風呂や軽い運動で汗をかく習慣をつける

「食欲がないのはただの夏バテかな?」と軽視せず、体からの危険信号として受け止め、早めの休息・水分補給・涼しい環境での休養を心がけましょう。

糖尿病と熱中症対策

糖尿病がある方は、脱水や体調不良に気づきにくいことがあるため、熱中症への備えがとても大切です特に運動療法を取り入れている方は、夏の間の体調管理や水分のとり方に気をつけて過ごしましょう。

1.水分をこまめにとりましょう

糖尿病がある方は、高血糖の影響で尿の量が増え、知らないうちに体の水分が減っていることがあります。その状態で運動をすると、さらに汗をかいて脱水が進み、熱中症や低血圧の原因になることもあるため気をつけましょう。

運動の前後にコップ1杯(200mL)以上を目安に水分を補給しましょう。汗を多くかくときは、ナトリウム(塩分)も一緒に補給することが大切です。ただし、糖分を多く含むスポーツドリンクは血糖値を上げてしまう可能性があるため、注意が必要です。

【糖尿病の方におすすめの水分補給】

  • 経口補水液(低糖のもの)
  • 無糖のスポーツ飲料やミネラルウォーター
  • 塩分タブレット+水(塩分を別で補い、糖分を制限)

※市販の「経口補水液」や「タブレット」は成分をよく確認しましょう。スポーツドリンク(アクエリアスやポカリスエットなど)には糖分が含まれているものもあるので注意が必要です。炭水化物含有量が少ない無糖・低糖の製品やタブレットを選びましょう

2.運動の時間帯を工夫する

真夏の10時〜16時は、外気温も湿度も高く、熱中症のリスクが高くなります。熱中症による救急搬送が多い時間帯は、11時〜15時台と報告されています。この時間帯を避けて、朝や夕方の涼しい時間帯に運動するのが安心です。

無理に屋外でのウォーキングを続けるのではなく、室内でのストレッチや軽い体操に切り替えることも立派な運動療法です。

3.体重の変化をチェック!

体重変動は脱水の目安にもなっており、2%の体重減少は危険とされています(体重50kgの人で1kgの減量)。体重が運動前後で1kg以上減っているときは、脱水のサインかもしれません。運動前後の体重を確認することで、水分補給の目安になります。

「運動前と比べて体重が減っている=水分が足りていない」と考えて、意識的に水分を補いましょう。

4.薬との関係にも注意

糖尿病のお薬のほか、降圧薬(利尿薬)、抗ヒスタミン薬、風邪薬などは、熱中症のリスクを高めると考えられています。体調が悪い時は無理な運動はしないように心がけましょう。

5.シックデイ(体調不良時)の対応を知っておこう

食欲不振のために食事ができないことを「シックデイ」と呼びます。発熱・下痢・脱水・食欲不振など体調がすぐれないときは、血糖値の変動が大きくなることがあり、熱中症で食べられない場合にもシックデイ対策が必要です。
食事が取れないときの薬の調整や、水分・糖分の取り方について迷った場合は、ご相談くださいね。

暑さは年齢や体調に関係なく影響を与えますが、糖尿病のある方は特に「予防」が大切です。

  • 水分はこまめに
  • 暑い日は無理をしない
  • 体調が変だと思ったら、休む・相談する

毎年のように暑さが厳しさを増す中、命を守るためにできることを、日常の中で実行していきましょう。不安なことがあれば、当院までご相談ください。

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