男性にもシルガード9が接種できるようになりました【2025年12月号】
これまで女性の子宮頸がん予防ワクチンとして知られていた HPVワクチン「シルガード9」 が、2025年8月から男性にも接種できるようになりました。
これにより、より多くのタイプの HPV(ヒトパピローマウイルス)感染 を予防できるようになり、男女ともにHPV関連の病気を防ぐことが期待されています。海外ではすでに男性接種が一般的で、オーストラリアでは約88%*1、アメリカでも約64%*2の男性が接種していると報告されています。
HPVは性別に関係なく感染するウイルスで、女性の子宮頸がんだけでなく、中咽頭がん・肛門がん・陰茎がん、そして尖圭コンジローマ(性器周辺のいぼ)などの原因になることがあります。
男性がシルガード9を接種する3つのメリット
①パートナーや将来の家族をHPV感染症から守る
ハイリスク型HPV(がんの原因となる型)によるがんは、圧倒的に女性に発症しやすいことがわかっています。そのため、女性をHPVから守るためにも、男性が感染しないことが大切です。
②男性本人のHPV感染に関連するがんの予防になる
HPV感染症が関連しているがんは子宮頸がんだけではありません。男性に多い種類のがん(肛門がん、陰茎がん、中咽頭がん)の発症を予防することができます。
③尖圭コンジローマの予防
性器のいぼである、尖圭コンジローマの予防になります。発症すると根治は難しく、再発を繰り返すため精神的ストレスの大きい病気です。
「自分のために、そして大切な人のために」
それが、男性のHPVワクチン接種の意義です。男性がワクチンを接種することで、自分自身の病気を予防するだけでなく、パートナーや将来の家族をHPVから守ることにもなります。
今回の変更点
対象
9歳以上の男性(男児)も接種可能に
追加された効能効果
肛門がんおよびその前がん病変予防、尖圭コンジローマ予防
接種回数と費用
- 9〜15歳未満 :2回(初回・6か月後)
- 15歳以上 :3回(初回・2か月後・6か月後)
現時点では、男性への接種は任意接種(自費)となります。(1回28,000円)
HPVとは?
HPVは、ごくありふれたウイルスで、子宮頸がんだけでなく、男性がかかるがんや疾患の原因にもなることがわかっています。HPVは主に性交渉によって感染し、海外では性交渉の経験のある男性の約91%、女性の約85%が一生に一度は感染するといわれています*3。感染は特別なことではなく、誰にでも起こりうることなのです。
HPV感染が原因となる病気
HPVに感染しても多くは自然に消失しますが、一部ではウイルスが体内にとどまり、「持続感染」となることがあります。HPVに持続感染すると、下記のような病気に進行することがあります。
- 男性:陰茎がん
- 女性:子宮頸がん
- 男女共通:肛門がん、中咽頭がん、尖圭コンジローマ
肛門がんや尖圭コンジローマには、定期的な検診のような早期発見方法が確立されていません。そのため、HPVワクチン接種が有効な予防手段のひとつとされています。
シルガード9とは?
「シルガード9」は、HPVの9つの型(6・11・16・18・31・33・45・52・58型)に対応したワクチンです。これまでの4価ワクチン(ガーダシル)よりも予防できる範囲が広いのが特徴です。
HPV陽性のがんでは以下の確率でこれら9型のいずれかが検出されています。
-
HPV陽性の肛門がんでは約96%*4
-
子宮頸がんでは約88%*5
-
尖圭コンジローマでは約95%*6
このため、シルガード9接種により男女ともにHPV関連のがんや疾患をより広く予防できることが期待されています。
まえの内科クリニックでも接種できます
ご希望の方は、事前にお電話(052-401-2600)もしくは窓口でご予約をお願いいたします。
*ネット予約はできません。
HPVワクチンは、がんを“予防できる”数少ないワクチンのひとつです。女性だけでなく、男性も自分自身と大切な人を守るために、ぜひ知ってほしいワクチンです。
「自分にも必要?」「副反応は?」など、ご不安やご質問があれば、お気軽にご相談ください。
HPVワクチンについてさらに詳しいページはこちら🔻
HPVワクチン(子宮頚がんワクチン)
参考:
- 厚生労働省「HPVワクチンに関するQ&A」
- 国立感染症研究所「ヒトパピローマウイルス感染症」
- *1Australian Institute of Health and Welfare(AIHW), HPV vaccination coverage, 2024
- *2Centers for Disease Control and Prevention(CDC), National Immunization Survey–Teen, 2023
- *3 Chesson HW et al. Sex Transm Dis. 2014; 41: 660-664.
- *4 Serrano B et al. Eur J Cancer. 2015; 51(13): 1732-1741.
- *5 Sakamoto J et al. Papillomavirus Res. 2018; 6: 46-51
- *6 厚生労働科学研究費補助金研究「尖圭コンジローマにおけるHPV-DNA検出による実態把握」小野寺昭一2011

