痛くないインフルエンザワクチン『フルミスト』のご紹介【2025年10月号】
皆様こんにちは。
今年の夏は例年以上に暑く、体調管理や熱中症対策に苦労された方が多かったのではないでしょうか。厳しい暑さを乗り越え、いよいよ秋から冬にかけては感染症対策も大切な季節です。
当院では今年から、鼻へ噴霧する新しいインフルエンザワクチン「フルミスト」をご提供します。(2歳以上19歳未満の方が対象)
注射ではなく鼻にスプレーするだけなので、「痛みが不安」「注射が苦手」というお子様や学生さんにもおすすめです。これまで注射が苦手で予防接種をためらっていた方も、この新しいワクチンで安心してインフルエンザ対策に取り組んでいただけます。
フルミスト(経鼻インフルエンザ予防接種)とは
フルミストは、注射を使わずに鼻にスプレーするタイプの新しいインフルエンザワクチンです。従来の「注射するインフルエンザワクチン」とは違い、弱毒化したインフルエンザウイルスを点鼻することで、鼻や喉の粘膜に直接免疫をつくります。この「粘膜免疫」の働きによって、ウイルスが最初に体へ侵入する部分でしっかり防ぐことができ、インフルエンザの感染自体を予防する効果がより高くなります。また、ウイルスが粘膜から体の奥へ入りこむことも防ぎやすいので、重症化リスクを下げることも期待できます。
米国やヨーロッパでは20年以上の実績があり、2024年に日本でも正式に承認されました。
フルミストの3つの特徴
①痛みがほとんどない
フルミストは鼻にスプレーするだけなので、小さなお子さまや注射が苦手な方でも安心して受けていただけます。接種自体もわずか数秒で終わり、身体的・心理的なストレスを大きく軽減できます。
②1回接種で予防効果はしっかり持続
注射のワクチンでは、13歳未満の方には2回の接種が必要ですが、フルミストなら1回で十分な免疫がつき、おおよそ半年〜1年間インフルエンザに備えられます。何度もクリニックに通う手間もかからず、忙しい保護者さまやお子さまにも負担が少ないのがメリットです。
③自然な感染経路に近い免疫が得られる
フルミストは鼻や喉の粘膜に直接噴霧し、インフルエンザウイルスが体に侵入する最初の場所に免疫を作ります。この粘膜で作られる抗体により、感染自体を防ぐ力が強くなります。加えて、体内でも重症化を防ぐ免疫が育ち、特に2歳から18歳くらいまでの子どもたちの発症予防効果が高いとされています。
こうした3つの特徴により、フルミストは「痛みがなく」「負担も少なく」「しっかり守れる」インフルエンザ予防の新しい選択肢となっています。
こんな方にフルミストがおすすめ
・注射がイヤでイヤでたまらない方
・受験生や感染予防に力を入れたい方
・注射のワクチンで強く腫れてしまう方
接種対象者
2歳〜19歳未満
接種回数
1回(各シーズン)
接種方法
専用器具で両方の鼻に0.1mlずつスプレー(計0.2ml)します。
(ワクチンをズズズと吸い込む必要はありません。)
*画像は第一三共資料をもとに編集・加工
費用
8,000円(税込)
*清須市の方は1,000円助成あり(1回まで)
予約方法
お電話のみ(数量限定となります。お早めのご予約をおすすめします。)
持ち物
- 診察券(お持ちの方)
- マイナンバーカード(または保険証)
- 子ども医療費受給者証
- 母子健康手帳
- 経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト点鼻液)接種説明書・予診票
- 妊婦・子どもインフルエンザ予防接種費助成金交付申請書兼代理受領に関する委任状
※予診票は、クリニックの入口にも設置しております。
※事前に記入いただくとスムーズにご案内できます。
副反応について
主に鼻水、鼻づまり、咳、くしゃみ、喉の痛みなどの軽い感冒症状で、接種後3日~7日に30~40%の人に現れることがあります。発熱は10%ほどで、頭痛や倦怠感が見られることもあります。
ほとんどは数日以内に自然に治まりますが、他のワクチンと同様に、ごくまれに発疹、じんましん、アナフィラキシーショック、など重いアレルギー反応が起こることも報告されています。
また、接種から2週間ほどは、鼻・喉の迅速インフルエンザ検査で“陽性”になることがあります。
接種できない方
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妊娠中または妊娠の可能性がある方
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免疫不全と診断されている方
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ワクチン接種後2週間以内に免疫不全の方と接触する方
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重い喘息や、過去1年以内に喘息発作・喘鳴があった方
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過去にフルミストや卵・ゼラチンなど含有成分で重いアレルギー症状(アナフィラキシー等)を起こした方
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サリチル酸系(アスピリンなど)やロキソニンを服用中の方
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高熱や重い急性疾患などで体調不良の方
注意点
①水平伝播(ワクチンウイルスの拡がり)
接種後1~2週間は、飛沫や接触により、接種を受けた人から、受けていない人にワクチンウイルスが拡がる可能性があります。免疫が弱いご家族や、妊婦さん、赤ちゃんとの密な接触は控えてください。
②抗インフルエンザウイルス剤使用の影響
フルミストはワクチンウイルスが体の中で少し増えることで免疫ができる仕組みです。そのため、もし接種後にすぐ抗インフルエンザ薬を使ってしまうと、せっかくのワクチンウイルスの働きが邪魔されて免疫ができなくなり、ワクチンの効果が弱くなったり、十分な予防ができなくなる可能性があります。接種から2週間程度は、抗インフルエンザ薬の使用を控えるのがすすめられています。
③他のワクチンとの接種間隔
当院では、4週間以内に「生ワクチン」を接種している場合はフルミストの接種を控えていただきます。
参考リンク

