メニュー

花粉症

毎年、花粉症で苦しんでいる方は多いと思います。

全国調査によるアレルギー性鼻炎の有病率は、約20年で著しく増え、特にスギ花粉症の増加が目立っています。2019年の有病率は通年性アレルギー性鼻炎が24.5%、スギ花粉症が38.8%と、日本人のほぼ3人に1人がスギ花粉症であると推定されます。

最近では5~9歳の低年齢層の増加も目立っています。

(アレルギー総合ガイドライン2022より)

私自身も花粉症の症状で辛い思いをした経験があります。最近では眠気などの副作用もほとんどなく、症状を和らげるお薬が出てきています。当院では内服薬だけでなく、点鼻薬や点眼薬の処方もできます。採血でのアレルギー検査も行っています。それぞれの症状や、お薬の好み、ライフスタイルに合わせて治療提案をしておりますので、お困りの方はご相談下さいね。

 

花粉症とは?

花粉症とはアレルギー性鼻炎のひとつで、植物の花粉が原因となります。体が花粉を異物であると判断すると、それを無害化しようとする反応が起こり、鼻水、くしゃみ、鼻づまり、目の痒みなどの症状が過剰に出ます。

このようなアレルギー反応は、スギ、イネ、ブタクサなどの植物以外にも、ハウスダスト、カビ、犬、猫、などでも起こります。

花粉症は季節性アレルギーといって、毎年決まった季節に症状があらわれます。花粉症の9割の方に鼻詰まりの症状がありますが、目の痒みや喉の違和感など、鼻以外の症状が出る事もあります。

写真を見るだけでくしゃみが出そう

 

2024年 春の花粉飛散情報

花粉の飛び始め・ピーク予想

今年の花粉の飛び始めは、例年並みか例年より早いスタートとなる見込みで、名古屋では2月上旬から花粉シーズンがスタートする見込みです。

スギ花粉のピークが終わる頃になると、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ヒノキ花粉のピークが始まります。名古屋の花粉飛散ピークは、スギ花粉が3月上旬から、ヒノキ花粉が3月下旬から4月上旬の予想です。

春一番が吹くような、風が強く急に暖かくなる日があると花粉の飛散量が一気に増えて、ピークの時期が早まることも考えられます。ピークを迎える前から、万全な花粉対策を心がけるとよいでしょう。

花粉の飛ぶ量

前シーズン(2023年)と比べると、九州から東北南部の多くの地域で少なくなる見込みです。一方、東北北部と北海道は、非常に多くなる見込みです。

(参考)2024年 春の花粉飛散予測 tenki.jp

 

花粉症の症状

アレルギー性鼻炎である花粉症の3大症状は、「くしゃみ、鼻水、鼻づまり」です。

その他にも、アレルギー性結膜炎である目の症状で、目の痒み、なみだ、充血が起こることや、のどのかゆみ、皮膚のかゆみ、下痢、少し熱っぽいなどの症状が現れることがあります。

花粉症の方の約9割に鼻づまりがあると言われています。鼻がつまると口呼吸になるため、のどの渇き、のどの痛み、頭痛などが生じます。夜に寝れなくなり不眠症になったり、学校の授業やお仕事に集中できないなど、生活の質が低下する事もあります。

 

また、口腔アレルギー症候群といって、花粉症の人が果物を食べると、口の中がかゆくなり、腫れてくる事があります。りんご、桃、スイカ、オレンジ、トマト、キウイなどで報告されているため、思い当たる方はアレルギー検査を受けてみるとよいでしょう。

 

私の鼻炎は花粉?ハウスダスト?

アレルギー性鼻炎には、一年を通じて症状が出る「通年性アレルギー」と、花粉症のように特定の時期だけ症状が出る「季節性アレルギー」があります。

通年性アレルギーの原因には、ハウスダスト、ダニ、犬・猫の毛やフケなどがあります。一年中身の回りにあるので、症状も一年中出ます。

季節性アレルギーでは、花粉の種類によって症状が出る時期が違います。有名なのは春のスギですが、東海地方ではハンノキ、ヒノキ、イネ、ブタクサ、ヨモギ、カナムグラも花粉症の原因となります。

 

自分が何に対してアレルギー症状が出ているのか分かると、対策が立てやすくなります。アレルギー源を避けることは、治療の第一歩であり、患者さんにしかできないことです。できることから生活の中で取り入れていきましょう。

花粉の回避

・花粉飛散情報に注意する。

・飛散の多い時は外出を避ける。外出時にマスク、メガネを使う。

・表面が毛羽だった毛織物などのコートの使用は避ける。

・帰ってきたら、衣服や髪をよく払ってからお家に入る。手洗い、洗顔、うがいをして、鼻をかむ。

・飛散の多いときは窓、戸を閉めておく。換気時の窓は小さく開け、短時間にとどめる。

・飛散の多きときのふとんや洗濯物の外干しは避ける。

・掃除をよくする。特に窓際を念入りに掃除する。

(アレルギー総合ガイドライン2022より)

 

アレルギー症状で悩んでいる方はアレルゲン検査を受けていただくことをおすすめします。

 

アレルゲン検査

当院では、MAST48mixというアレルギー検査を行っています。鼻水・くしゃみなどの症状がありアレルギーが疑われているが、何のアレルギーかはっきりしていない方は、広く多くの項目を検査できるためおすすめです。

・少量の血液(血清0.5ml)で検査ができます

・48項目の検査が一度でできます *一部ミックス項目を含む

・特定原材料7品目(卵・乳・小麦・落花生・エビ・カニ・ソバ)全て検査できます

測定できる48項目
<季節性のアレルゲン>

春:スギ、ヒノキ、ハンノキ、シラカンバ

夏:イネ科ミックス(オオアワガエリ、ナガハグサ、ギョウギシバ)

秋:ヨモギ、ブタクサミックス(ブタクサ、オオブタクサ、ブタクサモドキ)

 

<通年性のアレルゲン>

家塵:ハウスダスト、ダニミックス(コナヒョウダニ、ヤケヒョウダニ)

カビ:アスペルギルス、カンジダ、カビミックス(アルテルナリア、ぺニシリウム、クラドスポリウム)

ペット:イヌ皮屑、ネコ皮屑

その他:ラテックス

 

<食物のアレルゲン>

卵・ミルク:卵白、オボムコイド(卵白に含まれるたんぱく質)、ミルク

穀物・ナッツ:小麦、ソバ、米、大豆、ピーナッツ、ゴマ、木の実ミックス(ヘーゼルナッツ、クルミ、アーモンド)

魚類・甲殻類:サバ、マグロ、サケ、エビ、カニ

肉類:牛肉、鶏肉、豚肉

果物・野菜:トマト、モモ、バナナ、キウイ

 

アレルギー検査の流れ
①医師の診察

問診を行い、必要時には視診を行います。症状がある方はお薬も処方します。

②検査の実施

アレルギー疾患と診断され、アレルゲン検査を希望された方は採血を行います。

③結果の説明

採血結果が出るまでに1週間程度の時間がかかります。結果とともに、治療方針や対策についてお話します。

 

費用

アレルゲン検査はアレルギー性鼻炎、気管支喘息、蕁麻疹と診断された方は保険で検査ができます。

アレルゲン検査(MAST48mix):5,000~6,000円程度(3割負担の場合)

診察内容によっても変わりますので、目安としてお考え下さい。

 

まえの内科クリニックの花粉症治療

花粉症の治療薬は種類がたくさんあります。効き目や副作用の程度、飲み方、使い方などは様々なものがあるため、自分に合ったお薬を見つけるのに時間がかかる場合もあります。一緒に相談しながら試していきましょう。

自分に合ったお薬が見つかれば、毎年同じものを処方することができます。毎年同じ薬を使用しても、効果が下がることはありません。

 

花粉症治療の3本柱
①抗ヒスタミン薬(第2世代)

花粉症治療のベースとなるのが「抗ヒスタミン薬」です。ヒスタミンをブロックして、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を抑えます。以前は第1世代抗ヒスタミン薬という眠気や口の渇きなどの副作用が強くでる薬しかなく使いづらかったのですが、最近では副作用の少ない第2世代が主流となっています。

②ロイコトリエン拮抗薬

ロイコトリエンという、ヒスタミンと同じようにアレルギー症状を引きおこす化学物質をブロックします。鼻の血管が広がって粘膜が腫れるのを抑える作用があるため、鼻づまりによく効きます。

③鼻噴霧用ステロイド薬

くしゃみ・鼻水・鼻づまりなどの鼻症状が強い時に使います。ステロイドですが、鼻だけに効くように作られているため、副作用は少ないです。

 

その他の治療薬
④点眼用抗ヒスタミン薬

目の痒みなど目の症状が強い場合に使用します。点眼用ステロイド薬は目の検査をして安全に使用する必要があるため、眼科を受診して相談しましょう。

⑤漢方薬

眠くならずに症状を和らげることができます。西洋薬を飲みたくない方にもおすすめです。また、抗アレルギー薬だけでは症状が十分に治まらない方は、漢方薬を併用することで、治療効果が高まる場合があります。

 

最後に

症状が比較的軽い方は1種類のお薬だけで症状をコントロールできることも多いです。症状が強い方は3種類のお薬を併用することも珍しくありません。ガイドラインでも推奨されていますので、我慢をせずにお薬を使ってしっかりと症状を和らげ、快適に過ごせることを目指しましょう。ただし、他の薬と併用するときは、ご自分で判断せず、必ずご相談ください。

 

また、花粉症の治療にはアレルゲン免疫療法という、唯一寛解が得られる治療があります。治療に2~3年かかりますが、約70%に有効と言われています。当院では行っていませんが、症状が強い方は検討してみてもよいでしょう。専門の耳鼻科で治療することをおすすめします。

 

HOME

▲ ページのトップに戻る

Close

HOME