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災害時の食生活ってどうなるんだろう?【2024年3月号】

[2024.02.07]

 

毎年のように日本のどこかで起こる自然災害。災害時には、物が散らばった自宅でなんとか過ごす人や、車の中で生活する人、大勢の人と避難所で共同生活を送る人達などさまざまです。スーパーもコンビニもやっていない、ライフラインが途絶え自宅で料理も作れない、外食もできない状況で、私たちはいったいどんな食べ物を食べて過ごすことになるのでしょうか。

 

災害発生直後

災害現場では命を救うことが最優先となるため、食事・栄養は後回しになっているのが今の日本の現状です。長期保存のきく菓子パンやアルファ化米など簡易的な食事が最低限配られるだけ、という場合が多いようです。届いたものを多くの人で分け合う必要があり、また、次はいつ届くか分からない状況なので、食べる量も安定しません。この時期はみんなで協力して乗り切る必要があります。

食事だけでなく、水の供給も不足します。トイレの心配から水分を控えてしまい、寝不足やストレスも重なって便秘や脱水症状をまねきやすくなります。できるだけこまめに水分を摂るようにこころがけましょう。

災害発生から数日後

地域の備蓄品倉庫に保存してある食料品が配られます。クラッカー、レトルトカレー、レトルトの豚丼、パックご飯、カップ麺などを備蓄している地区が多いです。状況にもよりますが、白いごはんをにぎっただけの小さなおにぎりが届くようになるケースもあります。

流通が回復してくると…

なんと、食事が多めに届くようになります。成人男性の食事量を目安にしたお弁当が配られるので、生活習慣病のある方や、高齢者、女性の方には栄養過多になってしまいます。食事の内容も揚げ物ばかりのお弁当や塩分が多い食事がほとんどです。ビタミン類が不足し、炭水化物や脂質をとりすぎる傾向が目立ってきます。また、避難所にはお菓子が大量に余ってくるそうです。

大規模な被害を受けると、ごみ処理も難しくなります。

「なるべくゴミを出さないでくださ~い。」

「なるべく食べ残しはしないでくださ~い。」

「ラーメンの汁も全て飲んでくださ~い。」

と呼びかけられるため、周りの目が気なって食べ残すことが大きなストレスになる方もいます。そのような場合でも周囲に気兼ねして全てを食べるようなことはせず、必要量にとどめるようにしましょう。

 

ひとりで一食分をもらわずに、家族やグループで○○食分などと注文することで食べ残しを減らすことができます。

 

カップラーメンの残り汁を捨てることが禁止されている場合は、スープの素を全部使うのではなく、半分や1/3にして作れば、汁を全て飲んだとしても塩分摂取量を減らす事ができます。

 

避難生活というだけで、ストレスから血糖や血圧が上がりやすくなりますが、このような食環境から糖尿病や高血圧が悪化するケースも少なくありません。工夫してストレスを減らしていきましょう。

 

人気が高い非常食

「パックごはん」と「フリーズドライのみそ汁」

非常時に食べたくなるのは、温かいごはんとお味噌汁、という意見が多いようです。

食欲がない時に、カップラーメンは食べられなくても、スープ類や春雨などは食べられるという方もいます。災害時には温かい飲み物が身に染みてありがたく感じます。

缶詰では魚肉系だけでなく、みかん缶などのフルーツもさっぱりとして人気があります。

また、大好きなお菓子の存在も大切です。チョコレートやグミ、飴、ようかん、クッキー、せんべいなど自分や家族の大好きなお菓子を用意しておくと、災害時の大変な時に体力、気力を向上させてくれます。

まとめ

災害時の食生活について少しはイメージができたでしょうか。過去の経験からみると、災害発生からライフライン復旧まで1週間以上かかるケースが多くみられます。最低3日分、できれば1週間分の備蓄食品を用意しておくといいでしょう。配給品では好みの食事がなかったり、飽きてきてしまい食欲も低下します。少しでも栄養をつけられるよう、家族の人数に合わせ、食べやすい食品を選んでおくのが大切です。

カセットコンロ、ボンベ、水の確保も忘れずに。

 

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