自律神経失調症① 自律神経失調症ってなに?
「春」
いい季節です。春は、人の体が寒い冬用から温かい春夏用に変わっていくときです。
それなのに、とっても寒い日があったり夏のように暑い日もある。雨が降ったり晴天になったり、気圧の変動も激しい。そのため、自律神経が緊張状態に傾きやすくなります。さらに、新しい学校や新しい職場、生活や家庭内での変化が加わり、ストレスや疲れが出やすくなります。
自律神経の乱れが、心や体調に現れやすい季節です。
自律神経が不調になると、どんな症状が出てくるの?
た~くさんあります。
・なんだかつらい とにかくつらい
・胸がドキドキする 苦しい
・お腹がぐるぐるして痛い
・頑張っているのになかなか治らない
・お布団に入ってもすぐに眠れない
・なんとなく胃の調子が悪い
・過呼吸になってしまう
・だるくて、体が動かない
・手足がしびれる
・便秘になったり、下痢になったり
・不安が強い
・いろいろ悩んでしまう
・頭痛がひどい
などなど
なんでこんなにたくさんの症状があるのでしょう。
それは、自律神経失調症が様々な臓器につながった自律神経の不調だからです。
自律神経ってなに?
自律神経はいろんな内蔵を動かす神経です。努力して意識して動かすことはできず、勝手に動きます。
例えば、手足は自分の意志で好きなように動かせますが、腸管をグニャグニャ動かそうとしたり、心臓をゆっくり動かそうとしてもうまくいきません。
ところで、手足はなんで自由に動かせるのでしょう?
手足を「動かしたいな~」っと脳で考えると、脳内の大脳新皮質の中にある、運動野という場所から、「手足を動かせ~」という命令が下り、脳から脊髄の中にある神経を通って、手足の筋肉を刺激して、手足が動く。という仕組みです。
この神経はそう、運動神経と呼ばれています。手足を動かす始まりは、大脳新皮質の運動野です。
では、内臓はなんで意識的に動かせないのでしょう?
内臓は、脳と運動神経でつながっていないので意識して動かす事ができません。
意識的に動かす事はできませんが、勝手に動いてくれます。勝手に、つまり自律的に動くので、内臓を動かす神経の事を自律神経といいます。
この自律神経は勝手に動いているので、脳がストレスを感じると内臓は勝手におかしくなってしまいます。
例えば、お休み明けに、「明日は会社行かなきゃ~」と思うと心臓がドキドキしてきたり、もうすぐ大事なテストが始まる~」と思うと、お腹がぐるぐるしてきたり。これが、「自律神経失調症」という状態です。
内臓には腸管や心臓など様々な種類があるので、自律神経失調症の症状にも様々な症状があります。
自律神経失調症って言われたのに、検査では異常がないんですけど?という理由は、
「自律神経失調症の働きを正確に調べる事ができる検査方法がない」からです。
自律神経失調症の診断はどうやってするの?
日本心身医学会では自律神経失調症は、次のような場合に診断するとしています。
・様々な自律神経症状が認められる事
・検査で身体疾患がみつからない事
・明らかな精神疾患が見つからない事
これらの時に診断されます。
つまり、どんなに辛い症状があったとしても、検査で異常が見られない時に自律神経失調症と診断される。
検査で異常がないなら、それって病気じゃないんじゃないの?という人がいます。
これは大きな間違いです。自律神経の働きを正確に調べる方法がないからです。
自律神経失調症は、検査結果だけでは語る事ができない病気だということを多くの人に理解してもらいたいと思います。